フランチャイズ「おウチdeお肉」閉店ラッシュの実態 〜なぜ儲からないのか〜
こんにちは!一時期、急成長を遂げた無人精肉販売店「おウチdeお肉」が、最近になって閉店ラッシュを迎えていることをご存じでしょうか?コロナ禍で爆発的に広がったこのビジネスモデルに何が起きているのか、儲からない理由や炎上騒動を含めて詳しくレポートします。
急成長から閉店ラッシュへフランチャイズ「おウチdeお肉」の現状
目次
「おウチdeお肉」は、コロナ禍の2021年に一号店をオープンし、24時間無人営業の精肉販売店として話題になりました。YouTubeの人気チャンネル「FC版Tiger Funding」に創業者の林眞右(はやし しんすけ)氏が出演したことで知名度が急上昇。最盛期には257件の加盟契約を結び、全国に142店舗を展開するまでに急成長しました。
しかし、2023年後半から「おウチdeお肉」の閉店の知らせが相次いでいます。調査によると、以下のような店舗が閉店しています:
- おウチdeお肉 JR久留米店:2024年8月頃閉店
- おウチdeお肉 豊田下市場店:2024年1月31日閉店
- おウチdeお肉 小牧店:2023年10月31日閉店
- おウチdeお肉 六本松店、高宮店、百道店:2023年11月末でFC契約終了
- おウチdeお肉 武蔵小杉店:閉店
- その他、福岡や愛知など全国各地で閉店が続出
元オーナーもYouTubeなどで「おウチdeお肉から撤退します」と公言する事例が増えており、明らかに退潮傾向にあります。2024年3月時点での実際の運営店舗数は、最盛期の半分以下になっているとの情報もあります。
なぜ「おウチdeお肉」は儲からないのか?その理由を解説
「おウチdeお肉」が閉店ラッシュを迎えている理由は複数あります。フランチャイズオーナーたちが直面している苦境を詳しく見ていきましょう。
1. コロナ特需の終了
「おウチdeお肉」が急成長した最大の要因は、コロナ禍での外出自粛と飲食店の営業制限でした。焼肉店に行けない人々が自宅で焼肉を楽しむための需要が急増し、24時間無人で購入できるという利便性が支持されたのです。
しかし、コロナ禍の収束と共に外食産業が復活すると、「おウチdeお肉」の需要は急速に減少。多くの消費者が外食での焼肉を再び選ぶようになり、自宅での調理用精肉の需要が落ち込んだのです。
YouTubeで「儲からない無人店舗を残し続ける理由とは?」という動画が公開されているように、コロナ特需が去った今、多くの店舗で採算が取れなくなっています。
2. 高すぎる商品価格設定
「おウチdeお肉」の商品価格設定は、一般的な精肉店やスーパーと比較して非常に高いことが指摘されています。noteの記事「おウチdeお肉の怖い話」では、以下のような価格設定が批判されています:
- 120gのハンバーグが400円
- 50gの馬刺しが1000円~3000円
- スープが1人前800円~900円
記事の筆者によれば、これは仕入れ価格から約40%の利益を上乗せした価格設定であり、「相場がわからない人たちに、40%もの利益を上乗せして転売するビジネス」と批判しています。一般的な商品の利益率が20%程度であることを考えると、この高利益率設定が消費者の継続的な利用を妨げた可能性があります。
3. 無人店舗ならではのデメリット
無人店舗のビジネスモデルには、以下のようなデメリットがあります:
万引きの多発
「おウチdeお肉」では万引き被害が多発しており、これが収益を圧迫しています。興味深いことに、当初の運営方針では「万引きは宣伝費と考える」という姿勢を示していましたが、実際には店舗の収益性を大きく低下させる要因となりました。
設備トラブルへの対応遅れ
無人店舗では、冷凍庫の故障やPOSシステムのトラブルが発生しても即時対応が難しく、そのまま営業停止や商品劣化につながるケースが報告されています。
顧客対応の限界
商品の説明や問い合わせに対応できないため、リピーターを獲得しづらい面があります。特に高価格帯の食材では、専門知識のある店員の説明がないことで顧客満足度が下がる傾向があります。
4. フランチャイズ本部のサポート不足
多くの元オーナーが指摘しているのが、フランチャイズ本部のサポート不足です。特に以下の点が問題視されています:
- 集客支援の不足:当初約束されていた集客支援が十分に行われず、オーナー自身が宣伝活動を行わなければならなかった
- トラブル対応の遅さ:店舗で発生する様々な問題に対する本部の対応が遅い
- 商品供給の問題:時に仕入れが安定せず、商品が揃わない時期があった
YouTubeでは、元オーナーが「もう限界なので本音で話します」というタイトルで自身の経験を語っており、本部との関係に不満を持つオーナーが少なくないことがうかがえます。
5. 高いロイヤリティと月額費用
「おウチdeお肉」のフランチャイズでは、以下のような費用が発生します:
- 加盟金:1,980,000円
- 月額ロイヤリティ:55,000円(固定)
売上が低迷している店舗では、この固定ロイヤリティが大きな負担となります。通常のフランチャイズでは売上比例型のロイヤリティが一般的ですが、「おウチdeお肉」では売上に関係なく一定額を支払う必要があるため、収益が少ない月でも同じ負担が生じます。
「おウチdeお肉」炎上の理由

「おウチdeお肉」は2023年に大きく炎上しました。その主な理由は以下の点です。
1. 富オーナー事件
炎上のきっかけは、複数店舗を経営する「富オーナー」がSNS上で「おウチdeお肉 六本松、高宮、百道店は11月末でFC契約を終了する」と投稿したことでした。これに対して本部側が批判的な反応を示し、オーナー間での対立が表面化したのです。
2. 万引き宣伝戦略への批判
「おウチdeお肉」のFCオーナー向けQ&Aには、「万引き被害を宣伝に変える仕組み」という記述があり、これがSNS上で広く拡散されました。万引きを積極的に取り締まらず、むしろ宣伝に利用するかのような姿勢に対して「地域の治安を悪化させる」「モラルに反する」といった批判が集まりました。
3. 商品の価格と品質に関する告発
複数のSNSユーザーやブロガーが、「おウチdeお肉」の商品が市場価格と比較して極端に高いこと、また品質が期待に沿わないことを指摘し、「相場を知らない消費者を食い物にしている」との批判が広がりました。
4. SEO対策による情報コントロールへの疑惑
noteの記事では、「おウチdeお肉 あやしい」などの検索結果がすでに本部側によってコントロールされており、ネガティブな情報が検索結果に表示されないようSEO対策されているとの指摘もありました。
元「おウチdeお肉」オーナーたちのその後
多くの元「おウチdeお肉」オーナーたちは、別の無人販売フランチャイズに移行しています。特に「達人の一品」や「無人ホルモン直売所」などに乗り換えるケースが多く報告されています。
YouTubeの「おウチdeお肉撤退オーナー会に潜入取材」という動画では、撤退したオーナーたちが集まり、経験を共有し、今後の方向性を相談する様子が描かれています。
「おウチdeお肉」創業者・林眞右氏のプロフィール

「おウチdeお肉」の急成長と苦境の裏には、興味深い経歴を持つ創業者・林眞右氏の存在があります。
林氏は経営者としては異色の経歴の持ち主です。世界で5千万人がプレイするカードゲーム「マジック・ザ・ギャザリング」の全国大会に中学生で出場してベスト8に入賞。世界大会でもベスト8に進み、2018年から2021年にかけてプロとして活動していました。
その後、パチンコ・スロットのプロで生計を立てながら服飾専門学校に通い、2021年に「おウチdeお肉」を創業。自身のTwitter(X)プロフィールでは「令和の虎に出て日本で初めて全国に無人販売所を作った人/おウチdeお肉代表取締役/3社の代表/ポーカーの会社の社外取締役」と紹介しています。
今後の無人販売モデルの課題と展望
「おウチdeお肉」の事例から、無人販売モデルの成功には以下のような要素が重要だと考えられます:
- 適正価格の設定: 利便性に見合った価格設定で、過度な利益率を求めない
- 万引き対策の強化: カメラ以外の防犯設備や監視システムの導入
- 商品の差別化: スーパーやコンビニにはない価値を提供する
- フランチャイズサポートの充実: 加盟店が成功するための継続的なサポート
- コロナ後の新たな需要創出: アフターコロナ時代のニーズに合わせた変革
特に、最近では「達人の一品」など、より特化型の無人販売モデルが支持を集めている傾向があります。「おウチdeお肉」の苦戦を教訓に、より持続可能なビジネスモデルの構築が求められているといえるでしょう。
おウチdeお肉のフランチャイズから学ぶフランチャイズビジネスの教訓
「おウチdeお肉」のフランチャイズ閉店ラッシュから、以下のような教訓が得られます:
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特需に依存したビジネスモデルの危うさ: コロナ禍という特殊状況下で成長したビジネスは、状況の変化とともに衰退するリスクがあります。
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適正価格と顧客価値のバランス: 過度な利益率を追求すると、長期的な顧客離れを招く可能性があります。
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フランチャイズ本部の実力を見極める重要性: 急成長するフランチャイズには、成長速度に対してサポート体制が不十分である場合があります。
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無人店舗の限界を理解する: 無人店舗には利便性がある一方で、セキュリティや顧客対応などの面で限界があることを認識する必要があります。
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SNS時代の炎上リスク: 問題のある運営方針や顧客対応は、SNSを通じて急速に拡散し、ビジネスへのダメージとなり得ます。
「おウチdeお肉」は、コロナ禍という特殊な状況で一時的に成功したものの、持続可能なビジネスモデルの構築には至らなかった事例と言えるでしょう。この教訓は、フランチャイズ加盟を検討される方にとって貴重な参考になるかと思います。
フランチャイズビジネスに参入される際は、一時的な流行や特需だけでなく、長期的な視点でビジネスモデルの持続可能性を検証することが大切ですね。
「おウチdeお肉」の閉店ラッシュの理由や炎上の経緯についてお伝えしました「おウチdeお肉」のビジネスモデルの詩知的欠陥
「おウチdeお肉」のビジネスモデルには、以下のような構造的な問題があったと考えられます。
1. 商品原価率の問題
「おウチdeお肉」の商品は、市場価格と比較して非常に高い価格設定でした。ある調査によれば:
- おウチdeお肉での馬刺し(50g)の価格: 1,000円〜3,000円
- 専門店での同等品の価格: 約700円〜1,300円
この高価格設定は初回購入では気づかれにくいものの、リピーターの獲得を困難にする要因となりました。実際に多くの店舗では、最初の数ヶ月は好調でも、その後急速に売上が落ちていくパターンが見られたとのことです。
2. 高額なロイヤリティ負担
月額55,000円の固定ロイヤリティは、売上が少ない店舗にとって大きな負担となりました。特に地方の小規模店舗では、このロイヤリティが利益の大部分を奪うケースもあったようです。
一般的なフランチャイズでは売上の3〜6%程度がロイヤリティの相場ですが、売上が低迷すると定額制のロイヤリティは相対的に高い負担となります。
3. 在庫管理の難しさ
食品を扱う無人店舗の難しさとして、在庫管理の問題があります。特に冷凍肉は品質管理が命ですが、無人店舗では日々の在庫確認や商品の入れ替えが難しく、以下のような問題が多発しました:
- 賞味期限切れの商品が棚に残るケース
- 人気商品だけが売り切れて補充されないケース
- 冷凍庫の故障による商品劣化や損失
こういった問題は顧客満足度を大きく下げ、リピート率の低下につながりました。
公式には語られない「おウチdeお肉」の実態
公式な説明会や宣伝材料では語られない「おウチdeお肉」の現実についても、元オーナーたちの証言から浮かび上がってきています。
店舗の実質的な労働時間
「無人店舗なので人件費がかからない」という謳い文句とは裏腹に、実際には以下のような作業が必要でした:
- 毎日の売上確認と現金回収(30分〜1時間)
- 週2〜3回の商品補充(2〜3時間/回)
- 冷凍庫の温度管理と確認(毎日)
- 店内清掃とゴミ処理(週2回程度)
- トラブル対応(不定期)
これらを考慮すると、週に10時間以上の労働が必要となり、完全な「不労所得」とは程遠い実態だったことがわかります。特に本業を持ちながら副業として始めたオーナーにとっては、想定以上の労力がネックとなったようです。
加盟店同士の過当競争
急速な店舗展開により、同じエリア内に複数の「おウチdeお肉」が出店されるケースも発生しました。本部のテリトリー管理が不十分だったため、近接地域での加盟店同士の共食いが起こり、既存店の売上を圧迫する事態も見られたとのことです。
特に2022年後半から2023年前半にかけての急拡大期には、このような問題が顕著だったとの声があります。
令和の虎出演の影響と現実とのギャップ
「おウチdeお肉」が全国的に知られるきっかけとなったのは、林眞右氏が「令和の虎」というYouTube番組に出演したことでした。この番組での印象的なプレゼンテーションが多くの加盟希望者を引き寄せましたが、番組内容と現実にはいくつかの乖離があったと指摘されています。
番組内での収益予測と実態
番組内では「月商200万円、利益60万円」といった収益モデルが示されましたが、実際にこの数字を達成できた店舗は限られていたようです。多くの店舗では月商60万〜100万円程度で、利益は固定費を差し引くとほとんど残らないケースもあったと報告されています。
投資家からの評価と実態
番組内では複数の投資家(「虎」と呼ばれる)が高い評価を示し、中には自ら出資を申し出る場面もありました。しかし、その後の展開を見ると、出資した投資家の中からも「思っていたのと違う」との声が上がったようです。
例えば、令和の虎の投資家の一人である井口氏は「唯一の赤字事業"おウチdeお肉"」と言及しており、期待通りの収益が得られなかった様子がうかがえます。
フランチャイズ「おウチdeお肉」の最新動向 再建か撤退か?
2024年に入っても「おウチdeお肉」の閉店は続いており、撤退する加盟店が後を絶ちません。しかし、本部側も様々な改革を試みているようです。
加盟契約内容の見直し
2023年9月には、林眞右社長が「加盟契約内容変更に関しまして」とSNSで発表。加盟店との話し合いを経て、契約内容の見直しを行ったとのことですが、詳細な変更点は公表されていません。
この契約内容の変更も、すでに経営が困難になっていた多くの加盟店にとっては「時すでに遅し」だったようです。
新たなビジネスモデルへの転換
林眞右氏はSNS上で「おウチdeお肉」以外の新たなビジネスモデルにも着手していることを明かしています。「ベビーカステラ屋さん」など、食品関連の無人販売を中心に事業展開を続けているようです。
残存店舗の戦略変更
閉店を選ばなかった店舗の中には、以下のような戦略変更で生き残りを図るケースも見られます:
- 商品ラインナップの多様化: 精肉だけでなく、総菜や飲料なども取り扱う
- 地域特産品の導入: 地元の特産品や人気商品を導入して差別化を図る
- 宣伝方法の見直し: SNSやチラシなど、独自の宣伝活動を強化
「おウチdeお肉」無人販売ビジネスの今後
「おウチdeお肉」の苦境は、無人販売ビジネス全体の課題を浮き彫りにしています。今後、似たような業態で成功するには以下のポイントが重要となるでしょう。
1. 適正な価格設定と透明性
消費者は価格に敏感です。特にインターネットで簡単に価格比較ができる現代では、過度に高い価格設定は長期的な顧客離れを招きます。適正な利益率を設定し、価値に見合った価格提供が重要です。
2. 差別化された商品ラインナップ
スーパーやコンビニで手に入る一般的な商品では、無人販売のメリットが薄れます。地域特産品や希少性の高い商品など、差別化された品揃えが成功の鍵となるでしょう。
3. テクノロジーの活用
セキュリティカメラだけでなく、在庫管理システムや温度管理の遠隔モニタリングなど、先端技術を活用することで無人店舗の課題を解決することが可能です。
4. 持続可能なフランチャイズモデルの構築
急速な拡大よりも、各加盟店の収益性を重視したサポート体制の構築が重要です。加盟店が儲からなければ、フランチャイズビジネス自体が長続きしません。
「おウチdeお肉」の事例から、私たちは多くのことを学ぶことができます。特にフランチャイズビジネスへの参入を検討されている方々にとって、以下のポイントは重要な教訓となるでしょう。
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流行に惑わされない冷静な判断: 一時的なブームや特需に頼るビジネスモデルには注意が必要です。
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十分な市場調査と立地分析: 特に地方都市での出店は、詳細な市場調査が欠かせません。
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本部のサポート体制の見極め: 加盟金だけでなく、継続的なサポート体制が整っているかを確認しましょう。
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先行オーナーへの取材: 可能な限り、すでに開業しているオーナーから実態を聞くことが重要です。
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SNSでの評判チェック: 現代ではSNSが重要な情報源です。本部の公式見解だけでなく、実際の利用者や関係者の声にも耳を傾けましょう。
フランチャイズへの参入は大きな決断です。「おウチdeお肉」の事例が示すように、華やかな宣伝文句の裏には見えない課題が潜んでいることもあります。十分な調査と慎重な判断で、ご自身のビジネスの成功へと繋げていただければ幸いです。
引き続き、フランチャイズビジネスや無人販売の動向に注目していきたいと思います。皆さまのビジネスが成功することを心より願っております!